千葉県犬吠埼沖の巻き網漁船「第58寿和(すわ)丸」(乗組員20人)の転覆事故で、数秒間隔の2度の横波を受けて船体が傾いたため、船底近くの船室で休憩していた乗組員が逃げ遅れた可能性が高いことが24日、福島海上保安部の調べでわかった。
福島海保などは同日、行方不明13人の捜索を続けたが、見つかっていない。死亡した4人はこの日、救助された3人らとともに僚船で福島県いわき市・小名浜港に帰港、遺族と対面した。
福島海保は24日、救出されたワイヤー長豊田吉昭さん(49)(青森県八戸市)、ともに甲板員の新田進さん(20)(いわき市)、大道孝行さん(37)(岩手県野田村)から、事故当時の状況について聴取した。
発表によると、別々の船室でベッドに横たわって仮眠するなどしていた3人は23日午後1時20分ごろ、船体が横波を受けて傾くのを感じ、その数秒後、再び同方向からの横波で船体が大きく傾斜したという。
危険を感じた3人は慌てて飛び出し、通路端の階段から甲板に駆け上がったが、3人とも「救命胴衣を着けている余裕がなかった」と説明している。
甲板上に出ると、船は右舷方向に傾き、3人はそのまま海に投げ出された。新田さんは、船体後方にロープでつながれていた作業艇が浮いているのを発見。自 力で乗り込むと、そばに漂っていた大道さん、豊田さんの手を取って船上に引き上げた。3人は、艇内に備え付けられていた工具でロープを切断して難を逃れた という。
福島海保は、傾き始めてから数十秒〜数分後に船体が転覆、最初の横波から沈没まで10分程度だったと分析している。
漁船の転覆事故、こんな出来事は予期できないでしょう。
犠牲者の方々のご冥福をお祈りいたします。
助かった3人の方も無事にもとの生活に戻られることを願っております。
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