今年に入って、創刊から30年以上の「しにせ」の雑誌の休刊が相次いでおり、インターネットや携帯電話の普及にともなう若者の雑誌離れもあって、雑誌業界では、今後も厳しい状況が続くとみられています。
東京の出版科学研究所のまとめによりますと、ことしに入って7月までに休刊した国内の雑誌は107点で、これまでで最も多かった去年に迫る数になっていま す。特に、ことしは大手出版社のしにせの雑誌の休刊が多く、このうち講談社は、42年の歴史がある月刊の総合誌「現代」について、売り上げの減少などを理 由に今年いっぱいで休刊することを決めました。「現代」は、ノンフィクションの長編記事に定評がありましたが、最近は発行部数が8万5000部程度と、最 盛期の20%ほどに減っていたということです。また集英社は、創刊から30年以上になる映画情報誌の「ロードショー」と月刊の「PLAYBOY日本版」に ついて、いずれも売り上げの減少を理由に、ことし11月で休刊することを決めています。出版業界に詳しい出版ニュース社の清田義昭代表は、「インターネッ トや携帯電話の普及による若者の雑誌離れが進むなかで、今後、既存の雑誌は、ターゲットを明確にして、独自の視点で問題提起をする雑誌本来の魅力を前面に 出すことが必要だ」と話しています。
出版業界にとって、この出来事はショックが大きいことでしょう。現代のIT社会では、確かに雑誌などの文字媒体から、Webページの閲覧での情報収集による手軽さが広まり、出版物の売れ行きが低迷してきたことは事実です。しかし、本という媒体は絶対に必要なものなのです。基準の高いレベルで構成されたものであることは間違いなく、その情報の質はインターネットに広がる多くのWeb情報よりも凌駕する一面も持ち合わせているはずです。
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