県が十月から重度障害者の医療費を有料化する前提で市町村への補助金を2008年度予算でカットしたが、障害者の負担増を懸念して無料を継続する基礎自治 体が約8割に当たる26市町村に上ることが、神奈川新聞社の調べで分かった。十月以降の対応が未定なのは7市町で、うち4市町が無料継続の方向で検討中 のため、有料化を見送る自治体はさらに増える見通し。県内のほとんどの市町村が県の有料化への制度変更に異議を唱えた形だが、県は「補助金の復活は考えて いない」としている。
有料化の内容は、通院では受診一回ごとに二百円(調剤は除く)、入院は一日ごとに百円。
26市町村のうち、十月以降に続いて2009年度以降も無料を継続するのが10市町、2008年度は無料継続を決めたのが16市町。未定の7市町のうち小田原、海老名、綾瀬市、大磯町は無料継続の方向で検討している。
方向性が定まっていないのは3市で、うち横須賀は重度障害者に負担増をもたらす県の手法に懐疑的。秦野は「関連条例改正に議決が必要なため、(有料化の) 十月開始は難しい」。対象者が最大の四万七千人近くに上る横浜市も後期高齢者医療制度への対応に追わているとして、十月からの有料化導入は「難しい」との 受け止め。3市の動向次第では、十月から有料化する市町村が皆無になる可能性もある。
県は有料化と同時に年齢制限も導入する。65歳以上で新たに重度障害になった人は補助金の対象から外す方針だ。これに対し、有料化と同様に年齢制限の導 入も見送る自治体は24市町村に達している。検討中の残り9市町のうち4市町が2008年度は年齢制限を設けない方向で検討中。
県は有料化と年齢制限の導入を見込み、市町村への補助金を前年度より約四億千八百万円減の六十七億四千四百万円にした。県の削減分は、市町村が自主財源で賄うことになる。
【重度障害者の医療費】
県と市町村が負担しており、県の補助対象者は約12万人(07年4月現在)。現行の負担率は県と政令・中核市(横浜、川崎、横須賀、相模原)の場合、県3 分の1、市3分の2で、ほかの基礎自治体は県と市町村が折半している。07年度の事業費は、10年前の約2倍の約184億円(うち県の補助額は約72億 円)。制度創設時の1972年には県が100%負担していたが、県は負担割合を徐々に減らしてきた。
これだけ弊害が出ているのに問題にきちんと直面して解決していなかった政治に憤りを覚えます。延期や改正以前に、最初から検討しなおす必要性を感じます。
それだけ障害者の人々にとって日々の生活は深刻になってしまいます。
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