東京都渋谷区の温泉施設「シエスパ」で昨年6月、従業員3人が死亡するなどした爆発事故で、施設の建設を請け負った大手ゼネコン「大成建設」側が、ガスの 配管に結露した水がたまり、ガスが排出されなくなる危険性を認識しながら、管理会社や施設側に「水抜き」の対処方法を伝えていなかったことが18日、警視 庁捜査1課の調べで分かった。対処法が一度も実施されなかったことから、逆流したガスが機械室に充満して爆発を起こしたとみられ、業務上過失致死傷容疑で 調べている捜査1課は、詰めの捜査を急いでいる。
調べでは、シエスパは温泉施設のある本館と別館に分かれていた。爆発のあった別館の地下機械室には、源泉からガスを分離する分配器(ガスセパレーター)や源泉槽があり、それぞれから出るガスを、配管を通して屋外に排出していた。
配管内を通るガスは通常30~40度で、外気との温度差があり、管内に結露ができる。ガスは空気より軽いため、配管が上り傾斜になっていると、ガスは上に排出され、結露は元の源泉槽や分配器に落ち「問題はない」(専門家)という。
ただ、別館の周囲は高級住宅街のため、住民に配慮して単純な排出方法が避けられたとみられ、配管はわざわざ区道の地下を通って本館の6階にまで至り、そこ からガスが排出されるという「構造上の問題点」があったことも判明。配管が上下するため、谷間の部分に水が必然的にたまってしまうことから、大成建設や下 請けの大成設備は、この部分に水抜き栓を取り付けていたという。だが、大成建設側から管理会社や施設側に水抜きの必要性が伝えられず、開業から事故までの 約1年半の間、一度も水抜きは行われなかった。
このため、配管に水がたまってガスが排出されずに逆流。密閉性の高い地下の機械室に充満し、配電盤のスイッチの静電気などで引火したとみられている。
捜査1課は、大成建設側が水抜き栓を取り付けた時点で、爆発を起こす危険性を十分認識していたとみており、伝達されなかった経緯を調べている。
シエスパ
渋谷でのスパ爆発事故から1年が経過しましたね。
私もあのときは渋谷にいたので、よく覚えています。
利用者に危険の伴うような管理だけはして欲しくないですね。
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