爆破されたのは、北朝鮮のニョンビョンで1986年に稼働を始めた出力5000キロワットの黒鉛減速型の実験用原子炉に付属する冷却塔です。現地で取材し た外国メディアによりますと、爆破は27日午後5時すぎに行われたということで、5か国のメディアのほか、アメリカ国務省のソン・キム朝鮮部長も見守る中 で行われ、ドーンという音とともに一瞬で崩れ落ちました。
ソン・キム朝鮮部長は「皆さんが見たように、もう冷却塔は存在しない。6か国協議の進展を示すも のだ」と述べました。冷却塔は、北朝鮮が核開発計画を申告し、アメリカがテロ支援国家指定解除の手続きを始めてから、時間をおかずに爆破することで米朝が 合意していました。
この冷却塔は、原子炉を稼働させることで発生する熱を逃がすための2次冷却水を循環させるためのもので、メガホンを伏せたような形をし ており、10階建てのビルほどの高さがあるとみられています。冷却塔からは原子炉を稼働させると水蒸気が上がることから、北朝鮮の核開発の状況を確認する 施設としてアメリカなど各国の監視の対象になってきました。冷却塔は、6か国協議の合意に基づいて、無能力化の作業が進められたことし2月、16年ぶりに 外国メディアに公開され、冷却塔の土台部分から冷却装置やパイプなどが取り外されて、塔の外壁部分しか残っていないことが確認されていました。
北朝鮮は、 外国メディアの前で冷却塔を爆破することで、核の放棄に取り組んでいる姿勢を最大限アピールするねらいがあるものとみられます。
今回の北朝鮮の行動によって、アメリカがテロ支援国家指定解除をすることで、世界を敵にするという姿勢はまったく見せずに、核撤廃へと進んでいるはずです。
しかし、今までの北朝鮮の行為からすると、これは見せ掛けに過ぎないのかもしれません。
また恐ろしい実験や、日本に向けてのミサイル発射等、数々の事件が起きないという保障はありません。
今後の動向が注目されます。
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